当ページに訪問下さり誠に有難うございます。
このページを訪問頂いたということは、今から初めての建設業許可申請にチャレンジされる方々かと思います。

しかし、ご自身で申請しようと思っても難しいのが現実です。
建設業許可申請は、我々のような行政手続きの専門家である行政書士でも高難易度の許可申請の一つで、各種書類の取得や、整理、書類作成等かなりの時間を要します。

面倒な建設業許可申請は建設業専門事務所の弊所にお任せ下さい!!

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当ページでは、建設業許可の全体像、建設業許可申請に必要な各種要件を解説付きで紹介しています。
分かりやすく!をモットーに解説してまいりますので、ぜひご覧になって下さい。

建設業許可が必要なケース!許可制度を解説!


建設業と一口に言っても、建設工事をするのなら、なんでもかんでも許可が必要!という訳ではありません。
よく「500万円以上の工事は建設業許可が必要!」というのを聞いたことはありませんか?

この500万円というのは正解なのですが、これが全てではありません。

その他にも一般建設業許可と特定建設業許可、知事許可と大臣許可と様々な種類があり、それぞれの状況に合わせた建設業の許可の取得が必要になります。

それでは詳しく見ていきましょう。

一般建設業許可の場合

まずは、一般建設業許可が必要になるケースを見ていきましょう。

一般建設業許可が必要になる場合
  1. 工事1件の請負金額が、500万円以上となる(建築一式工事以外)
  2. 工事1件の請負代金の額が1,500万円以上の工事又は150㎡以上の木造住宅工事(建築一式工事)

よく皆様が「500万円以上の工事は建設業許可がいる!」と言われるのはこのためです。ただし、上記のように、建築一式工事の場合とその他の業種では建設業許可が必要になる請負代金の金額が異なりますので覚えておきましょう。

なお、建設業許可が必要な工事の発注が入った場合、その工事の請負契約締結までに建設業許可を取得しておく必要があります。

ちなみに建設業法では無許可で工事を行った場合、行為者に対して「3年以下の懲役or300万円以下の罰金」・法人に対して「1億円以下の罰金」が定められています。

この基準は民間工事であろうと公共工事であろうと同じです。
あくまで500万円以上ですので、500万円ピッタリというケースでも建設業許可が必要になります。

特定建設業許可の場合


それでは次は特定建設業許可を見ていきましょう。

特定建設業許可が必要となる場合
  1. 元請業者(発注者から直接受注)として4000万円以上の工事を下請けに出す場合(建築一式以外)
  2. 元請業者(発注者から直接受注)として6000万円以上の工事を下請けに出す場合(建築一式)

ご覧の通り、特定建設業は元請業者用の許可です。下請けに出す金額が基準となるのですが、この金額はあくまで1つの請負工事の金額ですので。複数の業者に下請けに出した場合、その金額を合算して計算します。

下請業者A下請業者B下請業者C
5000万円1000万円1000万円


上記のように下請けに出した金額が4000万円以上(表の場合は7000万円)となる場合は特定建設業許可が必要になります。

なお、上記のケースで仮に下請業者Aが更に孫請業者Dに4000万円の工事を下請けに出す場合、下請業者Aは発注者から直接受注しているわけではないので、特定建設業許可は必要ありません。

特定建設業許可が必要な工事を無許可で行った場合、行為者に対して「3年以下の懲役or300万円以下の罰金」・法人に対して「1億円以下の罰金」が定められています。

工事の請負代金に含まれるもの


さて、この500万円(特定の場合は4000万円)というのはどのような金額が含まれてくるのでしょうか?ここをしっかり把握しておかないと、知らず知らずのうちに建設業許可が必要な工事を無許可で請け負っていた!という事にもなりかねませんので、しっかり理解しておきましょう。

なお、この請負代金に何を含めるか?は一般建設業と特定建設業で異なります。

一般建設業許可の請負代金の注意点
  1. 請負代金(契約を2つに分けても、1つの工事であれば金額を合算)
  2. 注文者が準備した材料費(市場価格で算定、材料の運送費も含む)
  3. 消費税・地方消費税

※単価契約とする場合1件の工事の全体の額

請負代金は当然として、注文者から材料提供があった場合、その金額も含むという点がポイントです。

ここで問題となるのが、元請け業者からショベル等の建設機械の貸出を受けた場合です。
このような場合は、建設工事の「材料提供」を受けたわけではないのでこちらの金額は含まなくてOKです。

なお、契約・請求書を分けて500万円未満にすればOKという認識をされている方がおられますが、これはNGなので注意しましょう。

あくまで工事1件の請負代金が500万円以上かどうか?というのが判断のポイントです!

特定建設業許可の請負代金の注意点
  1. 下請けに出した請負代金
  2. 消費税及び地方消費税

※単価契約とする場合1件の工事の全体の額

特定建設業の場合は、提供された資材費が代金に含まれません。
一般建設業と特定建設業の違いをまとめると下記表のとおりとなります。

一般建設業の500万円に特定建設業の4000万円に
消費税・地方消費税含む含む
提供された資材含む含まない

一般と特定では提供された資材を代金として含めるかどうか?の違いがあります

知事許可と大臣許可

許可の種類として、まずは知事許可と大臣許可という2つの種類があります。この区別は単純で営業所が同1都道府県内のみなのか、2以上の都道府県に営業所があるのか?の違いです。

  1. 1都道府県内にしか営業所がない…知事許可
  2. 2以上の都道府県に営業所がある…大臣許可

なお、この営業所とは「常時建設工事の請負契約を締結する権限がある事務所」のことを言います。

ちなみに、あくまで営業所がどこにあるか?という基準ですので知事許可の建設業者は県外の工事を請け負えないという事ではありませんので注意しましょう!ただし、大阪の建設業者でも兵庫の工事を請け負うことは可能ですが、契約の締結は大阪の営業所で行わないといけないという事になります。

営業所について深堀り!

建設業の事務所には様々な呼称が存在します。「支社」「出張所」「支店」「事務所」「工場」等々が代表的なところでしょうか?建設業法の営業所というのはこの呼称は関係なく、あくまで前述とおり「常時建設工事の請負契約を締結する権限がある事務所」のことを指します。

具体的には「請負契約の見積、入札、狭義の契約締結等請負契約の締結に係る実体的な行為を行う事務所」と定義されています。契約の名義がその営業所かどうかという基準ではないので注意しましょう。

建設業許可の業種は全部で29業種

建設業許可は全部で29の業種に分けられています。要件を満たすことさえできれば、一度の申請で複数の建設業許可を取得することができます。業種と工事の具体例は下記のとおりです。

土木一式工事総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む。)
建築一式工事総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事
大工工事木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事
左官工事工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事
とび・土工・コンクリート工事① 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物のクレーン等による運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事

② くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事

③ 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事

④ コンクリートにより工作物を築造する工事

➄ その他基礎的ないしは準備的工事
石工事石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取付ける工事
屋根工事瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事
電気工事発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事
管工事冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事
タイル・れんが・ブロツク工事れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、又ははり付ける工事
鋼構造物工事形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事
鉄筋工事棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事
舗装工事道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等により舗装する工事
しゆんせつ工事河川、港湾等の水底をしゆんせつする工事
板金工事金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける工事
ガラス工事工作物にガラスを加工して取付ける工事
塗装工事塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事
防水工事アスファルト、モルタル、シーリング材等によつて防水を行う工事
内装仕上工事木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事
機械器具設置工事機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事
熱絶縁工事工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事
電気通信工事有線電気通信設備、無線電気通信設備、ネットワーク設備、情報設備、放送機械設備等の電気通信設備を設置する工事
造園工事整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事
さく井工事さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事
建具工事工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事
水道施設工事上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事
消防施設工事火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事
清掃施設工事し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事
解体工事工作物の解体を行う工事

建設業許可申請の為に必要な要件は?

建設業許可申請を行う際には、大きく分けて6つの要件をクリアする必要があります。

①経営管理体制②技術力③誠実性・欠格要件④営業所➄財産的基礎⑥社会保険


特に重要なのは経営業務の管理責任者と専任技術者です。
それでは、以下解説していきましょう!

建設業の経営管理体制が必要


建設業の経営管理体制と言われても…。具体的にどういうことなのか?疑問に感じるかと思います。

これは建設業の経営経験・経営能力はありますか?ということです。

この建設業の経営管理体制の要件をクリアするのが、初めて建設業許可を取得する業者様にとって大きなハードルとなります。

建設業は扱う金額も大きいですし、建設業の経営経験が少ない人が建設業者として仕事を請け負うと様々なトラブルが発生する可能性が高くなります。

いざ仕事を請け負ったが、仕事の完成前に会社が倒産してしまえば、発注者や関連業者に多大な影響を与えてしまいます。

ちなみに…。建設業法には「発注者保護」という考え方があって、発注者をなるべく守るように各種制度や規制の内容が考えられています。

この要件には2つのパターンがあります。

  • 経営業務の管理責任者(準ずる地位の人)がいる
  • 複数人(常勤役員+補助する人)で建設業の経営体制が組織できる

ではまず、経営業務の管理責任者から見ていきましょう!!

どんな人が経営業務の管理責任者になれる?

経営業務の管理責任者になれる3つのパターン
  1. 5年以上経営業務の管理責任者の経験
  2. 5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位の経験
  3. 6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務をした経験

以上、建設業法の記載です。このままではよくわかりませんね…。
それでは解説を見ていきましょう!

経営業務の管理責任者×5年


このパターンが一番わかりやすいです!
我々行政書士業界では「経管」(ケイカン)と略して呼んでいます。正式名称だと噛んでしまいそうですね…。

  • 建設会社の社長(代表取締役)
  • 建設会社の取締役
  • 建設業者の一人親方

弊所に依頼される方々も上記いずれかのパターンで建設業許可申請を行う場合が多いです。
ちなみにこの5年間の経験というのは、許可を取りたいものと違う業種の経験でもOKです!

例えば、電気工事で建設業許可の取得がしたい場合、管工事や建築一式工事の経営経験が5年あれば要件はクリアできることになります。

以前の建設業法では、許可を申請する業種×5年経験orすべての業種×6年という二段構えの要件でしたが、此度の建設業法改正でこの2段構えの要件は無くなりましたので、混同しないように注意しましょう。

経営業務の管理責任者に準ずる地位×5年


よく行政書士界隈では「準ずる地位」と略して表現しているこのパターン。
この準ずる地位とは「経営業務を執行する権限の委任を受けて経営業務を管理したことがある人」のことを言います。

なんだかよくわかりませんね…。具体的には

  • 執行役員(取締役会設置会社)
  • 支店長や部長
  • 個人事業主の場合は跡取り

このような方々は該当する可能性が出てきます。

ただし、これは支店長という役職だった!部長だった!というだけでは認められず、具体的にどのような権限があって、どのような組織体制になっていたか?跡取りであれば専従者として働いていたか?等を総合的に審査されることになります。

この準ずる地位での建設業許可申請はかなりハードルの高いものとなります。

こちらも①経営業務の管理責任者×5年のパターンと同様、経験業種は問いません。
経験年数に関しては①の経験年数を合算して5年あれば要件クリアとなります。

支店長や部長だからと言って、経験が認められるものではありません。
この要件が認められるためには様々な書類が必要でハードルが高いです。

経営業務の管理責任者に準ずる地位×経営業務の管理責任者を補助×6年


これを行政書士界隈では略して「補佐経験」といいます。

例えば、建設業許可会社の代表取締役の直下の役職で、その会社の資金調達や各種建設業に関する契約業務、技術者の配置等の経営業務の経験のことを言います。

こちらは、①②のパターンとは異なり、6年間の経験が必要になります。

このパターンは経験年数が6年という点に注意が必要です。

常勤役員+役員補佐人

こちらは令和2年の建設業法改正で新しくできた制度です。

国土交通省資料より抜粋


ようは建設業以外の経営経験が少ない場合でも経営チームを組むことにより認めていこうという事です。
しかし、建設業としての経験がゼロでよいというわけではなく、建設業としての経験は求められます。

常勤役員

A:建設業の役員等の経験2年以上を含む5年以上の建設業の役員等または役員等に次ぐ職制上の
地位(財務管理、労務管理または業務運営を担当する者に限る)における経験を有する者

このままではよく分かりませんので、以下見ていきましょう。

Aのパターンは、役員経験2年+役員に次ぐ職制上の地位3年が必要になります。
下記図のようなイメージですね。

大阪府 建設業許可申請の手引きより抜粋

例えば、経理部長として2年、人事部長として1年、取締役として2年建設業に関わっているようなケースです。
※各部長職が役員等に次ぐ職制上の地位として認められる前提でのお話です。

B:建設業の役員等の経験2年以上を含む5年以上の役員等の経験を有する者

BはAに比べシンプルです。

Bのパターンは建設業の役員経験2年+建設業以外の役員経験3年が求められます。

大阪府 建設業許可申請の手引きより抜粋

例えば兵庫不動産株式会社で常勤役員を2年+大阪建設業株式会社で常勤役員を3年で要件クリアとなります。

常勤役員の補佐人


補佐人には財務管理(例:経理部長)・労務管理(例:人事部長)・運営管理(例:経営企画室長)の経験が5年以上必要になります。

具体例は下記のとおりです。

補佐人に必要な業務経験
  1. 財務経験…建設工事を施工するにあたって必要な資金の調達や施工中の資金繰りの管理、下請業者への代金の支払いなどを行う部署におけるこれらの業務経験
  2. 労務経験…社内や工事現場における勤怠の管理や社会保険関係の手続きを行う部署におけるこれらの業務経験
  3. 業務運営…会社の経営方針や運営方針を策定、実施する部署におけるこれらの業務経験


規模の小さな会社では、経理部と人事部が分かれていないようなケースもありますので、1人で兼任することも認められています!

この補佐を行う人は、常勤役員の直轄でなければならず、役員から補佐人に対して直接指揮を行う組織体制である必要があります。

こちらのパターンで要件をクリアする場合は、経験年数、経験実績立証のハードルが高くなります。

ちなみに経営業務の管理責任者に該当するものがいない場合、新たに要件をクリアする人間を雇用することにより要件をクリアすることができます。

営業所毎に専任技術者が必要

次は技術者に関する要件です。先ほどの経営業務の管理責任者は建設業者に1人いればOKでしたが、専任技術者は建設業許可を取得する業種に対応する技術者が必要になります。

例えば、電気工事と管工事の建設業許可を取得する場合は、この2業種に対応できる技術者が必要ということです。なお、この専任技術者は複数の業種を兼任することができます。

さすがに工事の経験が浅い建設業者に許可を与えることはできないということですね。

しかし、複数の営業所の専任技術者を1人で賄うことはできません。

専任技術者の要件は一般建設業と特定建設業で異なります。

さてこの要件の「専任」とはどういう事でしょうか?

専任ってどういうこと?

専任というのは、ラフな表現をすると「建設業の営業所に常にいる」ということです。
通常の業務時間中は営業所に常勤し、専任技術者としての仕事を行っている必要があります。

ということは、専任技術者は営業所に通勤可能な距離に居住している必要があります。
例えば営業所が大阪である場合、東京の技術者を専任技術者とすることはできない。ということです。
また、宅建士等の選任が必要とされているものと兼任することはできません。

具体的に以下のような場合は、専任と認められません。

専任と認められない場合
  1. 営業所と技術者の住所が遠く、通勤不可と判断される場合
  2. 他の営業所で既に専任が必要な職についている場合
  3. 他に個人営業をしていたり、他法人の常勤役員だったり、その他の営業について専任に近い状態である場合
  4. 建築士事務所の専任建築士、専任の宅建士等の専任を求められるものに既に就任している場合(建設業において専任を要する営業所が他の法令により専任を要する事務所等と兼ねている場合を除く)
  5. 給与の額が大阪府の地域別最低賃金を下回る場合(月額10万円が目安)

どんな人が専任技術者になれる?一般建設業編

建設業法を抜粋すると、かなり長文になりますので、要点を絞って解説します。
専任技術者になるには以下の要件をクリアしている必要があります。

一般建設業許可の専任技術者
  • 許可を取得する建設業種の国家資格を持っている
  • 許可を取得する建設業種の実務経験が10年以上ある
  • 学歴+実務経験がある
許可を取得する建設業種の国家資格を持っている

これが一番シンプルです。電気工事の建設業許可を取得する場合で、第一種電気工事士がいるようなケースです。ちなみに建築士や施工管理技士等、複数の業種に対応できる資格もあります。

なお、資格によっては実務経験が必要な資格もありますので注意が必要です。
(例:第二種電気工事士+実務経験3年)

許可を取得する建設業種の実務経験が10年以上ある

こちらのケースでの建設業許可申請も弊所では多いです。この10年の経験は重複して計算することができません。

建設業は複数の工事を組み合わせて行うものが大半で、複数の業種の工事がセットになるケースも多々あります。例えば塗装工事×防水工事、電気工事×管工事のようなケースです。
例えば…

:塗装工事を2000年から2010年まで経験

:防水工事を2000年から2010年まで経験



以上の年数を経験した技術者がいたとしても、上記のパターンでは塗装工事か防水工事いずれかの経験しか認められません。

仮にこの2業種の専任技術者となるには

:塗装工事を2000年から2010年まで経験
:防水工事を2010年から2020年まで経験


このように合計20年の経験が必要になります。

弊所へのご相談事例でも、実務経験10年は重複して計算できると勘違いされている方がいらっしゃいますので覚えておきましょう。

学歴+実務経験がある

建設業法で認められた学歴があって、実務経験(3年or5年)がある場合です。
例えば、高校の所定学科を卒業して5年の実務経験がある。というような場合です。


一般建設業許可の専任技術者について、以下ページで詳細を解説しています!

どんな人が専任技術者になれる?特定建設業編

特定建設業の場合は一般建設業に比べ、より高度な資格や経験が必要となってきます。
特定建設業というのは「元請業者が下請けに出す金額が大きい」という事ですから、下請業者を十分に指揮監督できる技術者が求められます。

特定建設業の専任技術者一覧
  • 特定建設業許可に対応した資格を持っている
  • 一般建設業の専任技術者+指導監督的経験を2年

それでは具体的に解説していきます。

特定建設業許可に対応した資格を持っている

1級の国家資格等を持っていることが求められます。

一般建設業の専任技術者+指導監督的経験を2年

一般建設業許可の専任技術者の要件をクリアし、特定建設業許可申請を行う業種に関して、元請業者として4,500円以上の工事を2年以上指導監督した経験が求められます。

専任技術者には専任性と常勤性が求められます。複数の営業所を兼務できないの注意が必要です。

財産的基礎

建設業許可を取得するには、ある程度のお金が必要です。

建設業者では工事の完成(最終の請負代金の入金)までに材料の仕入れの支払いを行ったり、職人の日当を支払ったりと、何かと事前にお金が必要になります。

また、工事完成後の入金も翌々月払い等の入金サイクルの元請業者も多く、ある程度のお金をプールしておかないと会社が破綻してしまいます。会社が破綻してしまうと、発注者は困りますよね?

そこで建設業法では建設業許可を与えるにあたり、ある程度の財産要件を課しています。

この財産要件は一般建設業許可と特定建設業許可で内容が異なります。
以下見ていきましょう。

一般建設業許可の財産要件

まずは一般建設業許可の財産要件です。
初めて建設業許可を取得される方は一般建設業許可を取得するケースがほとんどです。

よく500万円ないと建設業許可がとれない。というのを耳にしませんか?
以下要件をまとめてみましょう。

一般建設業許可の財産要件一覧
  • 直前の決算において、自己資本の額が500万円以上であること
  • 500万円以上の資金を調達する能力があること
  • 許可申請の直前5年間許可を受けて、継続して建設業を営業した実績があること

それでは順番に要件を解説していきます。

直前の決算において、自己資本の額が 500 万円以上であること

まず一つ目はこの要件です。「建設業の会社は資本金500万円で設立する」という話を聞いたことはありませんか?それはこの要件がある為です。

仮に資本金が00万未満ですでに建設会社を設立してしまっている場合、増資をして500万円を確保するという方法もありますが、時間と費用が掛かってしまいますので弊所ではお勧めしません。

資本金が500万円未満の会社の場合、次の要件を満たすほうが良いでしょう。

金融機関の預金残高証明書で、500 万円以上の資金調達能力を証明できること

資本金で500万の要件をクリアできない場合、こちらの要件がお勧めです!
銀行で残高証明書を発行してもらうだけですから、手間も費用もそこまでかかりません。

なお、大阪府の建設業許可申請の場合は残高日が申請日前4週間以内の残高証明書が必要になりますのでご注意ください。

弊所のお客様では、残高証明書で財産要件をクリアするパターンが多いです。法人成りをしてすぐに建設業許可申請を行う場合は、資本金500万円で会社設立を行うと残高証明書は不要です。

特定建設業許可の財産的要件

次は特定建設業許可の財産要件です。
一般建設業許可に許可に比べて、要件は複雑かつ厳しくなります。

直前の決算において、下記すべての要件に合致していなければなりません。

特定建設業許可の財産要件一覧
  • 欠損の額が資本金の額の 20%を超えていないこと。
  • 流動比率が 75%以上であること。
  • 資本金の額が 2,000 万円以上であること。
  • 自己資本の額が 4,000 万円以上であること。



如何でしょうか?特定建設業許可の財産要件は、実際の経営状況を審査されるという事ですね。
特定建設業の許可を取りたいな。と思った際はまず顧問税理士に財産要件について確認するのがお勧めです。

ちなみに、大阪府の特定建設業許可申請の場合は、直前の決算期で資本金2000万円未満の場合でも、建設業許可申請までに増資し2000万円以上の資本金とすれば要件クリアとなります。

ただし、要件クリアできるのはあくまで「資本金」です。自己資本は直前決算期の財務諸表でクリアしている必要があります。

欠格要件と誠実性

建設業許可は欠格要件に該当せず、誠実性がある人でないと取ることができません。
なお、この要件は役員等の支配権を持つもの等や一部株主にも求められます。

それでは具体例を見ていきましょう。

建設業許可の誠実性とは?

建設業許可は誠実な人でないと取れません!という事ですが、何をもって誠実なのか?よくわかりませんよね?

不正な行為というのは 例えば


請負契約の際に脅迫をした、横領をした、詐欺をした等です。
そんなことをする人はまずいないとは思いますが…。

不誠実な行為というのは 例えば

工事の内容や工期、不可抗力による損害負担等について、請負契約に違反する行為
契約違反をするわけですから、不誠実と判断されるわけですね。

その他 こんな人は不誠実と判断されます!
不誠実と判断される場合
  1. 建築士法や宅建業法に違反(不正、不誠実な行為をした)して、免許等を取り消されてから5年を経過していない人
  2. 暴力団関係者


このような場合は不誠実と判断され、建設業許可が取れません。

こんな人はNG! 建設業許可の欠格要件


欠格要件というのはこの要件に該当すると、建設業許可は取れません!ということですね。
全て解説すると膨大の量になるので、抜粋して記載します。

  1. 建設業許可申請書にうそを書いて許可を取った
  2. 建設業許可申請書に不都合なことを書かなかった
  3. 警察に捕まって罰金刑になったり、執行猶予がついている
  4. 自己破産をして免責を受けていない
  5. 暴力団の構成員である
  6. 建設業許可を取り消されて5年たっていない

何か心当たりがある場合は、事前に欠格要件に該当するか否かを判断してから建設業許可申請に進むようにしましょう。

営業所要件

5つめの要件は営業所があること!といっても、営業所があればなんでもOKというわけではありません。
それでは順番に要件を見ていきましょう。

一般建設業と特定建設業の解説の際に解説しましたが、営業所というのは「常時建設工事に係る請負契約等を締結する事務所」のことを指します。

この営業所も単に営業所と呼んでいる、というだけではダメで、以下の要件に合致している必要があります。

建設業の営業所はこの要件を満たさなければいけない
  1. 事務所等を建設業の営業所として常時使用権原があること
  2. 建物の外観、入口等に建設業者としての屋号(商号)、名称を表示していること
  3. 固定電話、事務機器、机等、建設業の営業に必要な設備を備えていること
  4. 専任技術者が常勤して専ら職務に従事していること
  5. 支店等の代表者が常勤して、かつ契約締結等に関する権限を申請者から委任されていること
  6. 許可取得済みの建設業者は標識(建設業許可票)を掲げていること

見積りや入札、契約等を行わない、他の営業所に対し請負契約に関する指導監督を行わないなど建設業に関する営業に実質的に関与しない事務所は、建設業の営業所には該当しません。

社会保険への加入

以前は社会保険への加入は要件ではありませんでしたが、令和2年10月より建設業許可申請の際(新規申請・更新申請)の要件となりました。

  1. 健康保険・年金保険
  2. 雇用保険

に適切に加入しているかが要件ですが、社会保険に関しては会社なのか個人事業主なのか、雇用する人数によって変わります。下記表にまとめておりますので参考にしてみて下さい。

営業形態常用労働者の数健康保険・年金保険雇用保険
法人役員しかいない×
法人1人~
個人事業主1人親方××
個人事業主1人~4人×
個人事業主5人~
〇=加入義務あり ×=加入義務なし

状況に応じた適切な社会保険に加入しましょう。

いかがでしたでしょうか?

大阪の建設業許可を取得の際の参考にしてみて下さい。
弊所では、建設業許可申請の代行を承っております。相談無料ですのでお気軽にお問い合わせ下さい。

建設業許可申請書の書き方

大阪府の建設業許可申請書の書き方を下記ページで解説しています。
ご自身で建設業許可申請にチャレンジする業者様は参考にしてみて下さい。

大阪府の建設業許可申請書の書き方